受賞者ニュース

下川さん最優秀賞〜2位も秋山さんら

2016年11月27日

関東学生景観デザインコンペ

第3回関東学生景観デザインコンペティション(関東学生景観デザインコンペ実行委員会主催)の公開審査会が昨年11月27日、埼玉県和光市中央公民館で開かれ、下川翔平さん(建築都市環境学専攻修士1年・今村創平研究室)の「屋根倉が紡ぐ大地の営み」が最優秀賞に選ばれた。
 次点の優秀賞にも本学の秋山怜央さん(同2年・遠藤政樹研究室)・高橋由寛さん(同)・川合豊さん(同1年・今村研究室)ら3人の「時の生きづく風景」が選ばれた。
 上位3作品は市民のために12月中は和光市中央公民館、1月は12日まで市民文化センターで展示された。
 今回テーマは「時を繋げる景観デザイン」。埼玉県和光市の荒川下流域に広がる大規模環濠集落跡・午王山遺跡を舞台に、昔と今を繋ぐ和光市特有の景観デザインが募集された。
 下川さんの「屋根倉……」は、埋蔵遺構を直に露出させず、素朴な屋根付き回廊で覆って、発見された田畑地帯をたどらせた。屋根の下には倉や作業場を設け、周辺の人々が暮らしを営み続けるための場所をつくった。
 1週間、集中して模型やプレゼン形式をつくった。リサーチ内容やアイデアがうまく反映できたという。
 埼玉県内外の建築関係者、イタリア国立ボローニャ大から招いた建築学部准教授、松本武洋・和光市長らに市民30人も票を投じ公開審査。「遺跡公園をつくるだけではなく、この場所で暮らす古代と現在の人々が繋がるための場所と景観を、さまざまな形態の屋根によってつくり出すことができていた」と評価された。
 下川さんは「前回(3位に相当する景観デザイン賞)に続いて入賞できて光栄です。小さい頃から興味があった考古学と今学んでいる建築を介して、古代遺跡を残していく提案ができたと思います。市長や和光市民から多くの意見が頂け勉強になりました」と語った。
 優秀賞・秋山さんらの提案は、遺跡群を歴史的価値に加え町の生活環境を形成する場と捉え、史跡公園の在り方を再構成したもの。3人は「地域の人々とのディスカッションの中で審査が進められるという貴重な場で、建築を見つめ直す機会になりました」などと語った。