受賞者ニュース

下川君 景観デザイン賞
船橋市の川辺で「舫う水景」

2015年12月

 建築都市環境学科4年の下川翔平君が、第2回関東学生景観デザインコンペティション(同コンペ実行委員会主催、船橋市後援)で景観デザイン賞を受賞した。
 募集テーマは〈歴史文化の生きづく景観デザイン〉。船橋市を流れる海老川は、日本武尊が東征の折、小舟を並べさせ板を渡して渡った伝説から、地名のもとになったといわれる川。その海老川中流・船橋市地方卸売市場付近から船橋港親水公園辺りまでを対象に、川辺の景観を残す建築や、親水空間、街路空間のデザインを募った。
 下川君の作品は「舫う水景」。川沿いの漁村風景の再生を提案した。
 以前は海老川沿いに小舟が並び、舫柱の林立が見られた。東京湾の原風景でもある。下川君は現地へのリサーチや昔の写真から「舫う」を着想。舫柱を象徴的に展開させて漁場の集会所、作業場、展示場、倉庫などの空間をかたどり、親水公園として一体化した。
 「舫う」には、催し合う、助け合う、の意味があり、そこに暮らす人々が共有できる景観や場をつくり出すための提案。模型を細部まで作り込むことで、提案が実現された時の、川のにぎわいや空間の良さを感じてもらいたかったという。
 公開審査会(最終審査)は11月29日、船橋市浜町公民館で行われ、下川君の作品は最優秀賞、優秀賞に次ぐ景観デザイン賞に決まった。
 下川君は「船橋市民や専門家の方々の前で発表する機会に恵まれ、光栄です」と語っている。(CITニュースより)